WEB講習


新型コロナウィルスと闘いながら、自粛されている会員の皆さんへ、本当にお疲れ様です。私は普段、皆さんと直接触れる機会がございませんので、せめてこの様な状況の時、この場を通じて私がこれまでに体験したシーカヤッキングの世界を少しでもお伝えでき、参考にして頂ければ幸いです。

校長 長桶純至

WEB講習 第7回 サーフカヤック テキストP49  2020/07/01

7月に入りました!これまで感染を避け、自粛でお疲れのことと思います。
今回が最終章になりますが、少しでも皆様にシーカヤッキングの本質に触れてもえたら幸いです。

皆さんは、カヤッキングをどのように楽しんでいますか・・・・・?
多くの方がレジャー、レクリエーションとして楽しまれていると思いますが、競技・スポーツとしてとらえたことはありますか?海をフィールドとして楽しむシーカヤッキングは、波を伴うのは当然のことですが、皆さんはその波をどのように考えますか?避けますか?それともサーフィンしますか?シーカヤックでサーフィンしたことはありますか?
シーカヤックには直進性を生み出すための長さとキールがついていますが、反面、回転性が悪いので、波の上で操作する場合、かなりの技術/テクニックを必要とします。もちろん転覆することも多くあります。そこで、道具が進化し、1980年代には、波乗り専用のカヤックが登場しました。それがサーフカヤックで、2005年には、第8回サーフカヤック世界選手権が中米コスタリカで開催され、その後、ワールドカップも開催、私もそれらの大会に参戦しました。

カヤック/Kayakと言えば、「エスキモーが狩猟に使う両舷漕ぎで軽量の小船、木の枠にアザラシの皮を張り、漕ぎ手の腰あたりの皮をひもで締めて浸水を防ぐ」(広辞苑)そして、歴史も古く、四千年とも五千年とも言われている。
この辺の説明はさまざまな雑誌や本、インターネットなどでご存知だと思います。そして、現代では、先に話したようにレジャー、レクリエーションとしてツーリングなど楽しむようになっていますが、ここでは、カヤックの本質的な部分を歴史から改めて説明したいと思います。詳しい年代は把握していませんが、人類が、最終氷期以降にベーリング海峡に到達し、キングアイランドに定住した人々が生み出した舟がサーフカヤックのルーツであると思われます。カヤックでサーフィンをする事は、歴史上において、その環境下で狩猟をし、暮らす人々(キングアイランダー)にとって必要不可欠の技術/テクニックであり、その環境下に耐え得る構造を必要とされていたのです。風、波の吹き荒むベーリング海峡に位置するキングアイランドの人々/キングアイランダーは、そのテクニックを身に付け、長さ4.4m 幅62cm マルチチャイン、バウは波に突っ込まないように反り上がっており、強度アップのためにリブの間隔を狭くし、デッキビームが自然な曲線を描き、わずか18kgの重さのスキンカヤックを作り上げていた。これが正しくサーフカヤックのルーツなのです。つまり、先人達は、さまざまな環境下において、それに対応できる構造と強度、それを操る技術を既に生み出していたと言うことです。

日本でサーフカヤックは、今のところ、ほとんど皆無に等しいくらいです。しかし、世界選手権に出場する選手達は、15年~20年以上の経験者ばかりで、技レベルの高さは想像を絶するほどでした。サーフカヤックは、パドルの使い方、ボードのコントロール、共に奥深く、波の変化に合わせてバリエーションに富んだ使い方やコントロールの仕方を瞬間的に求められるわけで、高度なテクニックと体力、経験、そして感性を要します。
今回、“シーカヤッキング”つまり海におけるカヤッキングの本質の部分を考える良い機会になれば幸いです。さまざまな海の変化や目的を達するための技術を体得し、知識と経験を得ることで本当のシー(海)カヤッキングの面白さを体得できるのではないでしょうか。波を見て、風を受けて、あなたはどうしますか?止めますか?もちろん、私は“危険をあえて冒しなさい!”と言っているわけではありません。その反対で、多少のコンディションでも対応できるだけのテクニックを持ちましょう!と言うことです。「転覆したらどうしよう?」と思うならば、カヤック(船)は転覆するものです。たとえるならば、それを克服するには、エスキモーロールをマスターする必要があるわけで、出来なければ常にそのような不安を抱きながらシーカヤッキングをしなくてはならないはずです。ロールについては以前にも述べていますのでここでは省略しますが、つまり、時を経て、道具と乗り手の進化によって現在のサーフカヤックが生まれました。海への永遠の憧れとロマンと波への果てしなき挑戦を抱きながらカヤッキングを楽しめたら最高ですよ!
Pura Vida!  長桶純至